兄弟と音楽する
大学でオンライン授業があると雖も家にいる時間は長くなったので、家でできることが増えた。そのひとつとして挑戦してみたことを書いておこうと思う。
ピアノ、歌、そして…
私の家には兄弟が3人いるが、全員がピアノと歌を習っている。この休みに、全員共通の先生のオリジナル楽曲を練習して録音し、FMラジオに流そうというイベントをやったので、その感想をつらつらと。ラジオに流れるのはまだ先だが…
兄弟と音楽を作るのは難しい。
何と言っても精神的にも物理的にも距離が近いがゆえに兄弟とアンサンブルや、歌ー伴奏の関係をうまく作り上げるのは至難の技なのである。友達とのアンサンブルならば、誰かが間違えたりしても、明るく、もう一度やろう!!というようなことができるのだが、兄弟となるとそうはいかない。すぐに文句が出てくるのである。
そんなところができないなんて練習不足なんじゃない?
そこはクレシェンドだってさっき言ったところだろ。ふざけるな。
といった調子である。アンサンブルが合わなくなったら、犯人捜しの始まりである。そこでまたいざこざが起こり、結局、もう今日はやめた!というようになってしまうのである。
それでも
それでも、兄弟だからこそアンサンブルにプラスに働くこともある。それは練習過程を知っているということである。友達とだと、譜読みから一緒にやるという場合は皆無であるので、そこに兄弟ととの差が出る。つまり、家で練習しているのを聞いていうるために、あいつはここが間違えやすい、ここが遅くなりやすい、譜読みに苦戦していたことを思うとこの部分は難しいのだろうなということがなんとなくわかるのである。
そういうことがわかったからといって、相手が演奏しやすくなるような音楽の流れにできるような技量は持ち合わせていないが、謎の連帯感が生まれるのである。相手の間違えやすいところに到達したときには自分もなぜか緊張するし、無事にそこを通り抜けられたときにはよっしゃと思う訳である。そういう気持ちを持つことは率直にスリルがあって楽しい。
思えば、家でアンサンブルができるということもわりと珍しいことなのかもしれない。兄弟がいて、かつ、その兄弟と自分が双方とも音楽をやっていなくてはならないのだから。兄弟と音楽を作ることは、難しい面もあるけれど、音楽経験としても心のつながりとしても、大切なことなのだろうなと感じる今日この頃である。